株式会社メティス metis

保険なんてくそくらえ…と感じた日

今月も台風被害のニュースが途絶えることはなかった。
目を覆いたくなるような惨状に心を痛めた。
ただ、被害に遭わなかった私は心のどこかで対岸の火事的なところもあった。
ほとんどの人がそんな感じだろう。
台風のことがニュースから消えつつあったある日、不動産屋から電話がかかってきた。

私の実家はいま賃貸で人に貸しているのだが、玄関先の屋根が台風で破損したという。

賃借人からの要望であって、賃貸人の私としては修理をしなくてはならない。
それについては異論はなく、すぐに業者に見積もりをお願いした。
古い家でアスベストも使われているそうで、一部損壊だが丸ごとその部分の屋根を新しくしなくてはならないという。
70万円弱とのことだった。
家賃の数か月分に相当するが、まあ仕方がない。
忘れた頃にやって来たことだが、賃貸人の義務であるし、保険にも入っている。
数々の保険に入ってはいるものの、このようなことで保険を請求したのははじめてのこと。
保険会社とのやり取りを始めたわけだが、腹立つことの連続で、交渉する気も失せてきた。
工事費の30%ほどしか支払いは認められないそうだが、役所並みの対応の遅さに加え、根拠も示さない、全てを自分たちの都合のいいように解釈する。
やり取りしているうちに面倒になって何度か「保険なんぞいらねえ」と言いそうになった。
まるで私の理解力が足りないかのような話し方にも腹が立った。
これって作戦?
私のような被害額の少ない小粒の契約者には意図的にこのように対応して、「いらねえ」という言葉を引き出そうとしているのではないかとさえ思えてきた。
もっと大きな被害に遭われて生活に支障が出ている方々は、さぞかし辛く腹立たしい思いをしているだろう。
私なんかの10倍、100倍。
台風で打ちのめされて、人の手で心に傷を負う。
そんなこともあるのだろうと思った今日この頃です。

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