株式会社メティス metis

クラウドファンディングと山口百恵

先月に私の友人がクラウドファンディングを使うと騒いでいた。
それをうまく活用して、会員制の飲食店を開業させたいということだった。
そんな簡単に集まるか!!
せせら笑っていたら、ばかにしたもんじゃない。
二週間そこそこで800万円も集めたらしい。
「このペースで行けば最終的には1500万円に届く」と友人の鼻息は荒い。
出資した人はその店の会員になれるというのがポイントだったようだ。
会員制というスタイルをとったのが正解だったわけだ。
このての話にはまったく興味がないので、それをやる、現在は800万円ということしか聞いていないが、世の中分からないものだ。
私なんて怖くてできない。
知らない相手ばかりなので失敗したときの罪悪感はあまりないのかもしれないが、見も知らぬ不特定多数の人からお金を集めるのである。
その中には変わり者がいたり、少々危険な人も混ざっているかもしれない。
任意の支払いの税金のようなもので、手にした瞬間、身動きが取れなくなってしまうような気がする。
ただでさえお金を借りたり、投資してもらったりするのができない性分。
ましてや素性の分からない人たちに身銭を切らせたら、外も歩けやしない。
そう考えてしまうのだ。
少し前に大好きなコスモスを眺めに行った。
これを見ていつも思うことが二つある。
ひとつはさだまさしの偉大さ。
コスモスを「秋桜」と表現したりもするが、山口百恵の「秋桜」がはじまりで、それを作ったのがさだまさし。
ようは御仁が秋桜表記の生みの親で、週刊誌の記者時代、その言葉の力に大きな影響を受けたりした。
そして、もうひとつは、コスモスの蜜を求めて飛び交うハチに会社経営を重ね合わせているということ。

つい、このようなシーンをカメラにおさめたくなってしまうのだが、まさにこれが自分の仕事のスタイルなのだ。
ハチは申し訳ない程度に一輪の花から蜜を吸い、次々と移動して、お腹を満たす。
その光景を見ていれば明らかで、必ずハチはしっかりと花と向き合って、蜜をいただく。

顔の見える者同士の血の通った会話のようなものがそこには存在しているのだ。
どこに咲いているどんな花か分からない蜜を一か所に集めて、それを吸いましょうというのがクラウドファンディング。
米津玄師やらなんやらと最近の音楽もいいのかもしれないが、山口百恵はいつの時代でも通用するのだ。

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