株式会社メティス metis

人生初の手術&入院

北海道に梅雨というものはなく、ゴキブリも存在しない。
これが私たち昭和の人間の常識だった。
真夏日とはいっても気温30度など珍しいことで、ましてや北海道は夏でも20度そこそこだった。
それがいまや東京が40度、北海道も連日のように30度オーバー。
そのうち心地よい春や秋がなくなり、四季ではなく、二季になってしまうのだろう。
そんな異常気象の最たるものが西日本豪雨こと「平成30年7月豪雨」。
映像を見ていると東北の震災が嫌でも思い出される。
まさか雨でここまで大きな被害が出てしまうとは…。
かの武田信玄ら戦国武将も領地の水害に頭を抱えていた。
信玄堤は有名だが、大雨による川の氾濫で多くの犠牲を払い、安定した安住をどう確保していくかは重要なテーマだった。
昔から日本は自然災害と向き合い、乗り越えてきたのだが、ここまできてしまうと人知でどうこうなることではない。
当事者の方々の苦悩は想像を絶するものだと思うが、頑張っていただきたい。
さて、話を変えよう。
先月、飼い猫の一匹が死んでしまった。
13年前に弊社のあたり、都庁付近をうろついていたグレー色の猫で、13歳と少々という短い一生を終えた。
腎臓や副腎付近に直径2cmほどの腫瘍ができていて、手の施しようはなかった。
それでも元気でやっていたのだが、6月下旬のある日の朝、急にけいれんを起こして、そのまま帰らぬ猫となってしまった。
前の晩も良く食べ、良く寝ていたのだが、突然逝ってしまった。
20年以上前から猫を飼い始めて、失った猫は3匹目だ。
享年15歳、20歳、13歳とそれぞれだが、これで一気に若返ってしまった。
残りの5匹は、9歳、5歳、1歳、9か月、5か月とまだまだこれからというところだ。
賑やかなのでまだ救われるが、十数年間毎日のように顔を突き合わせていたわけで、まだまだ立ち直れていない。

そして、心身ともに弱った状態の中、今日から人生初の手術&入院である。
術後のケアなどもあり、この部屋で4~5日入院する。
30分ほどの簡単な外科的な手術で、たいしたことはないのだが、なんだかとても緊張する。
この不安な気持ちを医者や看護師に見抜かれてしまうと陰で笑われそうなので、精一杯突っ張ってみる。
それが逆効果だったようで、看護師と顔を合わせるたびに、「何か心配なことはありますか?」と聞かれたりする。
相手もプロで簡単に見抜かれてしまってた。
やっぱり無理するものではない。怖いものは怖いのだ。
とりあえず聞きたいこと、言いたいことすべて伝える。
「入院中は仕事のこととか忘れて治療に専念して、ゆったり過ごすことです」
貴重なアドバイスや励ましをいただいて、景色でも眺めようと、カーテンを開けてみた。

目の前に広がったのは、慣れ親しんだ新宿の高層ビル群。
探せばうちの会社も見えそうで、日常を忘れろというのは無理で、逆に仕事が気になって仕方がない。
俗世を切り離したくても切り離せないこの最悪な状況で、私は初体験に挑む。

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