株式会社メティス metis

きゅうりの謎

とにかく今年の冬は寒い。
最高気温が4℃とか5℃とかで、最低気温は零下が当たり前。
府中で-8℃とか信じられない話で、もう地球が壊れ始めているとしか思えない。
府中なんて私の家のそば、車で30分のところで、遠い世界の話ではない。
雪は一週間も融けずで、お陰様で車は使えず、30年ぶりにバスに乗ってしまったりした。
懐かしの西武バスだが、最近は、これまでカードをかざして済む時代になってしまったわけですね。
運転手と会話をすることなどなくなってしまうのでしょうね。
冬と言えば、日本テレビの「もみ消して冬〜わが家の問題なかったことに〜」がとてもいい。
タイトルに目を奪われ見始めたが、シンプルで直線的なコメディーで爽快だ。
「もみ消して」という野暮ったい言葉をタイトルに持ってくるか。
タイトルにはとても似つかわしくないフレーズで、これを使うのはとても勇気がいる。
100年考えてもこれは私には思い浮かばない。
冬に何かをもみ消すのか。
それとも、冬をもみ消そうとしているのか。
すっきりとしない日本語で、タイトルを見た瞬間、悶々とする。
語呂があっているようであっていなくて、これが狙いなんだろうが、とにかく気になってしまったのだ。
コメディーに相容れないような波瑠が、軽快で、スパッとした切れ味で、とてもいい味を出している。
個人的には、ここ数年で一押しのドラマで、これにははまった。
この時期のドラマだから冬なんだろうが、見ていると、これは春でも夏でも秋でも成立する。
シーズン2や3があるならば、切り口に多少の変化をつけて、是非とも、もみ消して夏だの秋だのやってほしい。
寒さがひと段落した先日に、知り合いの誘いで、南青山にあるレストランに行った。
元赤坂にあり、数々の文化人や石原裕次郎、松田優作も通った知る人ぞ知る有名なレストランがあった。
50年で幕を閉じたのだが、その老舗レストランのオーナーの息子さんが去年末に南青山に再オープンさせたのだ。
かの三島由紀夫も愛したというオニオングラタンスープなどコース料理を堪能したわけだが、ここのモスコー・ミュールはすべての料理を引きたてた。

マドラーの代わりにきゅうりが…。
なぜ、どうして、きゅうりなのか…。
おかわりの度にその理由を聞こうとしたが、野暮な質問だとしたら、場の雰囲気を壊しそうなので止めた。
聞かぬは一生の恥。
らしくない。
そういえば、もみ消して…に出てくる夕食のシーンがこのレストランの雰囲気に似ていたような気がする。
きゅうりでなければいけないのだろうか。
無性に、また、気になってきた。
もう一度、このレストランに行く理由ができたということで良しとしよう。

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