株式会社メティス metis

笛から始まり猫で終わる

少し早い時期にお盆休みをとって、なんとか行けた。
江戸東京博物館の「おんな城主 直虎」特別展が今月の6日までだったのだが、ぎりぎりで観ることができた。
井伊直虎がメインなのだが、私のお目当ては、笛だった。
井伊直親ゆかりの、あの「青葉の笛」である。
大河ドラマでは三浦春馬が大切に持って吹いていた笛である。
直親は27歳のときに、静岡県の掛川あたりで今川家の家臣である朝比奈泰朝の襲撃で散るわけだが、戦国武将と笛というアンバランスな対比がえらく気になって頭にこびりついていた。
刀の冷たさと笛の温かみのギッャブが、直親という人物を謎めいた存在にしているような気がする。

井伊家は、今川から狙われていた幼少の直親を隠すわけだが、この愛用の笛も持って逃げた。
逃亡の際に援助を受けた僧にこの青葉の笛を寄進したという言い伝えがあるのだが、それが目の前にあるこの笛なのだ。
これは1550年ごろの話だから、いまから470年ほど前のこと。
この笛の見てきた光景を想像すると何とも言えない気持ちになってくる。
こういうのを見てしまうと、触発されて止まらなくなるのが私の悪い癖。
えらくミーハーだが、翌日には浜松の気賀にある大河ドラマ館まで行ってしまうのだから、まだ私も若い。

ドラマ館には、所定の駐車場から気賀の関所を通り抜けて入るのだが、このアイデアはすごくいい。
ただ、もう少し中身に厚みがほしかった。
ドラマにとらわれず、常設モノとして成立するような展示物をもう少し集めればよかったのにと思う。
休みの締めくくりの最後の大仕事は、もちろん、猫である。
先月書いた私が出産を見届けた4匹の子猫。
この一か月半の間にいろいろあったのだ。
1匹は死亡。一番最後に母猫から生まれ出た猫で、弱々しくて心配していたのだが、死んでしまった。
乳をあげている母猫が体制を移動したときに、身体の下敷きになってしまったらしく、そのまま窒息死してしまったらしい。
体力があればすぐに脱け出せたのだろうが、そうもいかなかったようで、気づいたころには遅かった。
1匹は行方不明。母猫がちょくちょく子猫をくわえて家の中から運び出して別の場所に移動しようとしたりしていた。
そのたびに止めていたのだが、隙をついて、1匹野外へと運ばれてしまった。
辺りを必死に探したが、見つからず、悔しい思いをした。
結局、元気なまま残ったのは2匹で、この度、母猫に言い聞かせて、東京へと持ち帰った。

出産からこれまでいろいろあっただけに思い入れは強い。
あとはちょっとした健康診断をして、この2匹を買うことになっているうちの社員に引き渡すだけだと思ったら…。
「2匹とも皮膚病です」
動物病院でこのような診断を受け、しばらくは検査やらでご入院。。。
戻ってきたら毎日シャンプーと塗り薬をしなくてはならない。
最悪でも一か月ほどで治るそうだが、まあいろいろと試練を与えてくれる。
手間がかかる子ほどかわいいものだ。
このように里親になる社員が思ってくれることを願って、動物病院を行き来する今日この頃である。

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