株式会社メティス metis

牛みたいな猫とカルガモ親子

もうあれからそろそろ1年が経つか…。
保健所行き寸前の5匹の子猫を持ち帰って、皆さんの協力によって、救われました。
そろそろ2歳になる頃だが、5匹とも元気でやっているという話は伝わってきております。
そのときに登場した、たいそうな猫好きの、半ノラ半家猫7~8匹を飼っているおばさんからまた連絡がきた。
今度は、牛柄の猫が2匹。
たしかに、写真を見ると、いまにもモーモーと鳴きそうな猫で、愛嬌がある。
この2匹は、そのおばさんの知り合いの家で生まれたらしい。
しかし、母猫が半ば育児放棄状態で、その知り合いがえらく困ってしまった。
見るに見かねたおばさんは、乗りかかった船と、この2匹を持ち帰り、自分の家の猫らに育てさせているそうだ。
めでたしめでたしで終わらない。
もう自分の家は猫だらけで飼えないから、前回と同じパターンで私に里親探しを頼みたいというわけだ。
困ったものだが、2匹くらいなら何とかなろう。
母猫に育児放棄されてしまったとは可哀そうな猫ではないか。
渋々、おばさんの要望に応えて、里親探しを開始した。
1匹はうちの社員が身元引受人となり、そしてもう1匹は私が飼うことで話は決まった。
とそのとき、またそのおばさんから連絡が入り、今度はノラ猫の生存率の話が始まった。
それは、想像以上に低いものである。
この世に生まれても餌や水を手に入れることができるかどうかわからない。
カラスやらその他天敵もたくさんいて、生き残るのが大変なわけで、おばさんの見立てでは生存率は多く見積もっても25パーセント。
つまり、4匹のうち生き残るのは1匹という計算だ。
だからこそ、お腹の膨らんでいた母猫のお腹がへこんだとなると、そのおばさんは子猫を探す。
母猫は警戒しているから隠れた場所で育てるからなかなか見つからない。
これで3か月も経ってしまうと、子猫もノラ化して、捕まえようにも捕まらなくなってしまう。
それですくすく育ってくれればいいが、その大半が天敵にやられてしまったりする。
運良く子猫たちの場所を見つけても、2か月近くは母猫のもとで育てる必要がある。
つまり、2か月前後のタイミングでうまく子猫たちをピックアップしなくてはならないわけだ。
そんなこと考えていないで、とにかく去勢してくださいって話なのだが、田舎の人にこの理屈は通じない。
そして、話はこのような展開になっていく。
おばさんの家の猫が一か月半前に4匹出産した。
そして、その子猫たちの姿を見かけたが、狭いところに入ってしまったりで、なかなか捕まえられないそうだ。
今度来て私に捕まえて、この4匹も里親探しを手伝ってほしいというわけだ。
牛柄猫の件で確約をとった後に、ノラ猫の生きる厳しさを語り、同情を誘っておいてこのような持ちかけをしてくる。
だんだんとやり口が巧妙になってきた。
そんなこんなでまずは我が家に牛柄の猫がやってきた。
このうち1匹は私が飼うわけだが、これはたまらんですね。
掛け値なしにかわいい。この2匹の戯れの光景は何時間見ていても飽きない。
近々、里親探しをしたうえで、4匹の子猫を捕獲しに行かなくてはならない憂鬱な気分が吹っ飛んでしまった。
とくとごらんあれ。

この2匹の健康診断のため、近くの動物病院に行ってきた帰りに、うちのマンションの敷地内通路でほっこりする光景に出くわした。
ひょこひょこと歩いてくるものがいると思ったら、カルガモ親子だった。
子ガモは小さな足を一生懸命動かして親ガモにぴったりとついていく。
毎年、マンション内にあるちょっとした池に遊びに来ているようで、何とも微笑ましい。
キャリーバックから牛柄猫を出してみると、興味津々、カモたちの動きにあわせて頭を動かしていた。
やっぱり動物はいい。やっぱり多摩はいい。

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