株式会社メティス metis

家の中にある家

謹賀新年。
本年も宜しくお願いします。皆様の一年が幸あるものとなりますように。
今年の正月は澄み切った夜空で、下弦の月がこれまたきれいだった。
見渡すと、どこにいても、下弦の月が視界に飛び込んでくる。
笑った口のようにも見えるし、盃にも映る。
それぞれの感じ方でいろいろなものに見える、味わいのある月だった。
さて、今年も龍潭寺で初詣を済ませ、直虎ブームでにぎわう井伊谷宮でおみくじを引く。

いままで注目されてこなかったこの場所が陽の目をみて嬉しいのなんのって。
自動販売機まで直虎デザインに変わっていて、これからの一年は相当楽しめるはず。

ところで、井伊谷宮では、確率の低い「凶」を引いたことで、今年は逆に上昇するのではと密かに期待していた。
しかし、おみくじは正直なもので、年明け早々、一番の古株の猫の体調が悪化した。
もう19歳、人間でいえば90歳以上の年寄猫だから覚悟はできているつもりだったのだが、そうは簡単に割り切れないものがある。
20年近くも毎日顔を合わせているのだから、当然だ。
この間、人間関係は、出会っては消え、消えてはまた生まれを繰り返している。
もちろん、ずっと続く関係はあってもそれは稀なことで、消えるはずのないと思っていた関係が消えたりするのが世の常だ。
ところが、猫は違ってずっとそこにいる。
年老いて多少の変化はあったとしても、基本的には関係性に変わりはない。
そのありがたみをヒシヒシと感じるわけだ。
だからこそ、猫を尊重したうえで、私も抗ったりするわけだ。
そこで、行きつけの動物病院経由で、この酸素ハウスをレンタルしてみた。

他の猫が興味津々で、緊張感のかけらもないのだが…。
酸素ハウスから出たい老猫と入りたがる若い猫。
矛盾していて妙に笑えてしまう。
息苦しくなり肩で息をしはじめたときに、ここに入れる。
そして、調子が良いときには、普通に生活させる。
おかげさまで何とか持ち直して、一日二食、しっかりと食べるようになった。
変な延命治療はしないが、少しでも時間を共有しようと、この程度なら自然の摂理を大幅に逸脱しないだろうと思った。
10歳にも満たないほかの猫たちはそうではないが、年をとると本当に医療費もばかにならない。
私よりも、猫のほうが毎年の医療費は高くかかっている。
以前、うちの父親が酸素マスクを利用したときに、髪の毛も黒くなって、若々しくなったことがあった。
酸素ハウスのレンタル料もばかにならないので、猫だけに使わせておくのは惜しい。
この中に頭を突っ込んで、自分でも使ってもみようと企てる今日この頃であった。

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