株式会社メティス metis

5匹にかわって感謝!!

先月末から今月にかけて、個人的に大きな一つのプロジェクトを抱えていた。
プロジェクト名は『ファイブ・キャット・リリーフ・プロジェクト』。
降って湧いたような展開で、突然、生後1か月と少々の子猫5匹を引き受けることになり、里親探しに奔走した一週間だった。
そして、これはみんなそろった最後の一日の写真である。

とある古びた一軒家がある。
その家のおばあさんは、たいそうな猫好きで、家猫を7~8匹飼っている。
その家猫たちは、家の中と外とを行ったり来たりして、まあ奔放な生活を送っている。

昔々、昭和の時代には、よくあった光景だ。
しかし、ことは複雑である。
集まってきたノラ猫たちにも、放っておけずに、餌をやる。
傍から見れば、どれがノラでどれが家猫が区別は全くできない。
ざっくり言えば、十数匹の猫たちがたむろっている家なのだ。
気持ちは分かる。
猫を放っておけないのはよく分かる。
飢えた猫から目をそむけて、自分の猫だけをかわいがることは私にもできない。
しかし、去勢もせずにこのような状態を放置していたとすれば、猫は増える一方である。

子猫が生まれると、世話が行き届かずに、当然、母猫任せ。
中には、カラスにやられてしまう猫もいたりして、まあそれも自然の摂理と言える。
ただ、さすがに今回は、どうしようもなくなった。
新たに子猫が生まれて、ようやくこれ以上手に負えないということが分かったおばあさん。

5匹を抱えて保健所に向かおうと決意したわけだ。
これを知ってしまった私は、思わず、おばあさんを制止してしまった。
こんなときに、去勢をすればいいとか無責任なことをするなとか正論を吐いたところで、何も始まらない。
「じゃあ、飢えて死にそうな猫を放っておけばいいっていうのか」
こう言われれば返す言葉はない。
そんなこんなで、責任をもって5匹の里親を探すから、私に託せ。
こんなことを言ってしまったもんだから、慌ただしい一週間が始まってしまったのだ。
5匹を連れ帰って、馴染みの動物病院に行き、健康診断。
ノミやシラミ、回虫などの駆除。
目やにがすごかったので目の治療やら血液検査やら人様に命を助けてもらうわけだからと、徹底的にやった。
猫が小さいから別に安くなるはずもなく、5匹だから、まあ結構かかる。

検査結果やら受け取って、里親のもとに猫を見せに走り回った。
そして、うち1人の方が2匹を飼うことになり、また当社の社員も1人里親となり、無事に4人の里親のもとに猫を引き渡すことができたのだった。
とにもかくにも、小さな命を救えて、本当によかった。
保健所に行くことなく、これから10年、20年と命は続き、里親さんたちとそれぞれの歴史を刻むことができるのだ。
今回、社員、友人ら、皆さんに協力して動き回っていただき、本当に助かりました。感謝です。
このような頼み事は二度としません。
といいたいところですが、件のおばあさんが最後にこう言ったのです。
「いま妊娠中の茶トラの猫がいるから、生まれたら連絡するわ」
このばばあ・・・。
そんなわけで、おそらくもう一度お願いすることになります。
今回、里親になってもいいという方が他にもいました。
どうぞ、ペットショップなぞに行かずに、あと半年待ってください。
お金など払わずに、救える命から救いましょう。

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