株式会社メティス metis

恐竜とバスの北陸物語

閑散としたGW明けのタイミングを見て、福井県~石川県~富山県と北陸三県を駆け抜けてきた。
お目当ては丸岡城だった。
築城主はあの柴田勝家の甥の柴田勝豊。
福井にあるということで、この城だけは本当に行きたくても行けなかった。
東京からはともかく不便だったわけで、まさに北陸新幹線万歳である。
開業から時間も経過したことで、ようやっとしばしの休みを利用して、行ってきたのだった。
ほとんどの城の天守閣はコンクリート中心の模擬天守であって、そんな中で現存する天守は全国で12城しかない。
その中でも、この丸岡城はもっとも古く、二層三階の初期望楼型独立式なのだ。
だから、どうしても見て、この城の中に入って遊びたかったわけだ。

この階段がまさに現存天守の証。
傾斜角70度くらいはあるのではないか。
紐を掴んで恐る恐るよじ登るようにして這い上がる。
木のぬくもりに歴史を感じながら、童心にかえったようにこれを何度も繰り返して遊ぶ。

コンパクトにまとまった城なのだが、4時間以上はじっくりと見て回った。
その他、越前大野城やら一乗谷城やらと福井は本当に楽しめた。
朝倉氏遺跡を歩き回ったあとの一乗谷城は死ぬほどきつかった。
往復3時間程度の山登りで、真夏なら完全に途中で挫折していた。

この北陸三県を見て回って感じたことは、とにかく自分たちの街を盛り上げよう、自力で景気を良くしようという強い気持ちだ。
ひとことで言えば、観光収入の為にいろいろと知恵を絞り実践しているということだが、街が一体化して一つの方向に進んでいることが素晴らしい。
福井県は恐竜に力を入れているみたいなのだが、福井駅には実物大の動く恐竜が飾ってある。
それだけでなく、ちょっと離れた駅であってもこうだ。

ホームのベンチに座る恐竜。
こんな人形がなきゃひとり座れたのになんてけち臭いクレームを言う客は置いておき、たかが電車移動がされど電車移動に変わる。
くすっと笑ってしまったり、およよっと驚いてしまったり、こういったことが一服の清涼剤になるのだ。

金沢のバスのすごさには驚いた。
普段、私は車移動しかしない。
地方に行って観光地をまわるのであれば、迷わずレンタカーかタクシーだ。
しかし、金沢では思わずバスに乗ってしまった。
バス停はこんな感じで電光案内版を設置しているところも多く、非常に使い勝手がいいのだ。

周回バスやら通常のバスやらとにかく複数のバス会社が乗り入れていて、息つく暇もなくバスがやって来る。
どこに行くにも100円か200円で行けて、25年ぶりのバスを思う存分堪能した。
しかも、バスの車内もしゃれている。

ミラーの裏地を見てほしいのだが、加賀友禅のプリントが施されている。
外国人観光客が多いためか、観光に携わっている人は70代のおばちゃんまでがちょっとした英語を話せる。
細かいところから大きなことまで何から何まで一体感で充満しているのだ。
思わずバスに乗る癖が身についてしまって、金沢から富山までバスで行ってしまったりして。
また円高傾向になってきたことで、不景気風が吹いてきそうな今日この頃。
会社に求められるスピリッツは、まさにこういったことにあるんじゃないかと肌で感じた今日この頃である。

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