株式会社メティス metis

黒猫の毛はいったい何色?

不思議だ。
まずはこの写真を見てもらいたい。

これはうちの猫が気持ちよさそうに寝ている様だ。
ちなみにこの黒猫の名前は「マロ」という。
黒猫にありがちで、眉毛の辺りが少し毛が薄くなっていて、ちょうど公家の眉毛のように見えることから、そう名付けた。

話を戻そう。
すやすやと寝ているマロだが、腹回りに置いた結構な量のグレーの毛の塊が見えるだろう。猫を飼っている人ならば分かると思うが、この時期は毛が抜けるので、櫛でとってやらなきゃならない。
気持ちよさそうな猫の平和な表情がまた良いのだが、このグレーの毛は、なんとこの黒猫から抜けた毛なのだ。
黒猫を櫛でとくと黒い毛が抜けると信じて疑わないものだが、グレーの毛になる。
一本一本ならば理解もできるが、ある程度の量をこのように集めてみても、グレーの毛の塊だ。どうして黒猫の毛がグレーになるのか考えても分からない。
このように、当たり前だと思っていた方程式が見事に裏切られ、想像できないことが起こることがある。
所詮、人間の知識や想像力などはたかが知れているわけで、人間の営みである経営もご多分に漏れずだ。
弊社は今月15回目の決算期だが、こんな続くものとは想像していなかった。
人生の3分の1程度の時間をこの会社に費やしている計算になる。
調査業に関しては、可もなく不可もなくと言ったところだが、グループの豊愛マネージメントは新規の取引が二社決定して上向きだ。
しかし、黒猫の抜け毛がグレーであるように、この先想像できない何かが起こる可能性は十二分にあると考えている。

中国が人民元の切り下げという荒療治に動いた。今の中国の状況を考えれば、何かしらの為替政策は必要だが、思っていたよりもその動きは早かった。
突如として石が投げ込まれ、その波紋がどう重なり合い広がっていくかなど想像できない。 中国製品がさらに安くなり、輸出が膨れ上がるのは容易に想像できるが、その先はまったく見えない。 日本にとっては脅威になるだろうが、これにTPPまで絡んでくるとなれば、もう解読は不可能だ。 例え、多少の資産があったとしても、それを円で持っておけばいいのか外貨なのか、それとも有価証券の類で運用すればいいのか不動産か全く分からない。
これからは、想像できることを実行したり、当たり前の判断をしていてはダメな時代に突入したのかもしれない。
好調だと思っている事業を突然ストップするとか、全く関心も感触もないものに手を出してみるとか、既成概念を一度シャッフルする必要があるのではないか。 いままで自分の中にある想像力は大切にしてきたつもりだが、これからはそれが目を曇らせる。 自分の感じたこと、考えることとは逆のことをやってみるのもいいのではないか。
黒猫の毛の塊を眺めつつ、そう思う今日この頃である。

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