株式会社メティス metis

69万分の1

年の瀬も迫る師走の半ば。
選ばれた69万人のうちの1人となりました。

「インフルエンザの患者数が前の週から倍増し、69万人になりました。特に首都圏で流行が広がっています」
「新たに東京・神奈川・千葉で患者数が注意報レベルを上回っています。検出されたウイルスの9割は高齢者や子どもが重症化しやすいA香港型です」
東京在住。
A香港型。
まさに私がこのうちの1人。
生まれて初めてのインフルエンザ感染。
ちょっと寒気がすると思って体温を測ると37度3分。
翌朝、測ると39度1分。
これはヤバいとゾンビみたいにふらふらと倒れこみそうになりながら、病院に行く。

「関節痛いでしょ、少し」
「ええ、まあ」
「熱が9度だものねえ」
「ええ、まあ」
「熱は昨日から?」
「ええ、まあ」
「今日は一人で来たの?」
「ええ、まあ」

検査結果を先に言え。
こっちはインフルエンザかどうかまずは知りたいんだよ。
普段の私ならこうブチ切れていたはずだが、この前置きの長さにも腹を立てる気力もなかった。
そして、最後にこの医者は、「残念だけど、陽性ですね。治りにくいほうのA型」と結果を告げた。

「この時期、仕事休むの大変だねえ」
「ええ、まあ」
「家族にはちゃんと説明してね」
「ええ、まあ」

どうでもよさそうな話しがしばらく続き、余計熱が上がった。
いくつか薬はもらったのだが、この吸引式の薬を使う。

リレンザ

青いカバーを外して、円形の薬をセットして、はめ込んで垂直に立てて云々…。
高熱の人間に理解できるかって複雑怪奇な代物で、もううんざり。
まさかインフルエンザに感染するとは、思いもしなかったなあ。
当たり前のことですが、自宅でも隔離状態。
触れ合い、気兼ねなくじゃれ合うことのできる相手は猫だけ。
やっばり猫はいいなあ。
今までにないほどに猫との濃密な時間を過ごしたのでした。

来年は特許で当ててやる。
そう誓いつつ、今年の幕がそろそろ閉じようとしています。

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